2000調査実習6月15日

調査実習2000第9回

~文献研究~

Time Table

時間 内容
13:15 「フィールドワークの経験」(好井裕明 桜井厚 , 2000)

語りたいことと聞きたいことの間で ―― ライフヒストリー・インタビューの管理をめぐる争い

より広い社会的・文化的・政治的文脈において考えると、被差別部落の人の「声」は「差別―被差別の文脈」に規定されながら2つのモデルストーリー(貧困、劣等、悲惨/誇り、たくましさ、アイデンティティ)の中に収斂されてきた。そして「差別―被差別の文脈」は、そこから外れる語りを、語るに値しないもの、聞くに値しないものとして黙殺してきた。
これに対し、ライフヒストリー・インタビューは、何よりも個々の人の声に耳を傾け、多元的で多声的な語りを把握するところから出発したはずであった。こうした反省からわたしたちはライフヒストリー・インタビューの枠組みを「差別―被差別の文脈」の枠組みから、「主体の自立」(「生活戦略」)というより広いカバレッジを持つ枠組みへとしだいに変えて来た。
このインタビューの枠組みは、一方で「差別―被差別の文脈」の枠組みの中にある語り手にとっては、違和感のあるもので、インタビュー過程の統制を権力的に感じるかもしれない。しかし、他方でこのインタビューの枠組みによってめったに自己を語ることのない人が自分のことばを発見し、語るに値しないと思われている人生の断片が「声」となった。これこそライフヒストリー・インタビューの醍醐味なのである。

13:25 「高度経済成長下の生活世界」(間 宏 , 1994)

第1章は、高度経済成長の社会的影響についてである。
この章では、経済成長の要因として考えられる資本、労働力、技術進歩、土地について言及している。 具体的には、人口の増加、技術革新、エネルギー革命などである。また、生活世界の変貌として労働世界と 非労働世界についても述べられているが次からの章と内容が重複するため省略する。

労働世界について、まず第3章は男性ホワイトカラーである。
ブルーカラーや経営者とのライフスタイルの画一化が進み、すべて同じ会社員として見なされるようになる。 また、そのような会社員達は地域や家庭とも距離ができるようになり仕事以上のことを会社に求める 「会社人間」になっていった。

第4章は女性労働者についてである。
高度経済成長期は、深刻な求人難、技術革新による作業の単純化、軽労働化等によって女性の職場進出にも道が開かれていった。 また、大企業、ホワイトカラー、第3次産業を中心にキャリアを形成していく女性も少数ながら現れたのである。

第5章は、労使協議制の定着と組合機能。
高度経済成長期になると設備投資の拡大や昇進問題など、労働条件とも密接した様々な問題が発生したため、解決のために労使協議制が重要視されるように なってきた。

第9章の家族からは、非労働世界についてである。
この時期はたくさんの種類の電化製品が家庭に流入してきた。しかし、それらはそれぞれの家庭の必要性に応じて選択的に取り入れられてきた。 また、変化ばかりが強調されがちな高度経済成長期だが、そんな時代の中、親から子への職業の継承や味の継承等持続されるものも数多くありそこに焦点をあてることも重要である。

第10章ではレジャー産業の展開と労働者の余暇についてである。
1960年頃までは余暇の中心はテレビを見ることであった。それが1960年代末になると旅行や ドライブも一般的に行われるようになっていくのであるが、レジャーの産業化によって助長された 動きであったため消費的なレジャーといわれるような状態になってしまう。 しかし、余暇を楽しもうという意識が生まれ始めたのもこの時期であったのではないだろうか。

第11章は教育問題の変容についてである。
高度経済成長期を境に高校、大学進学率は飛躍的に伸びて行くのであるが、それは、将来日本経済を 担っていく人材を育てるために行われている、つまり経済のための教育であるという問題意識を 持つ人も少なくはなかった。しかし、それが教育機会の増大という好結果をもたらしたことを 見逃してはいけないだろう。またそんな中<普商工農>の学校格差、非経済事情による中退者の 増大、学習塾の氾濫等様々な問題が生まれた。

13:45 「男たちは変わったか? ~全共闘世代の20年後~」 → 次回分にまとめて掲載
14:20 <休憩>
14:40 全共闘世代の2000年紀集会の報告
15:35 「青春、朱夏、そして実りある白秋へ――『規格化された幸福』からいかに逃れるか」(PRESIDENT 1997,2)
16:10 仕事、家族、時代、メディアの各班に分かれての話し合い
17:00 <終了>

~実地調査~

時間 内容
14:40 「全共闘世代の2000年紀集会」の参加報告

調査実習メンバーのうちの3人が、「全共闘世代の2000年紀集会」に参加、その模様を報告した。
報告では、実際の議論の様子をテープに録音し、その熱い議論の様子を聞いた。
また、3人も実際に参加者の団塊の世代の方とコンタクトを取り、機会があればインタビューにも
協力していただけるという返事をいただいた。
ただ、全共闘に使われていた用語が私達には大変判りづらかった。
これらの用語については、今後、機会を見て学習していく予定だ。

15:35 「青春、朱夏、そして実りある白秋ヘ」の発表
16:10 仕事、家族、時代、メディアの各班に分かれての話し合い

来週からは、各班週に1つずつトピックを選んで、それについての発表を行なう事になったので、
各班で協議し、どんなトピックについて発表するかを決定。
同時に、調査対象者のサンプリングについても協議した。
その結果、調査実習メンバーの中の何人かが同窓会名簿を持参し、その中から地理的にインタビュー
可能そうな方を選び出し、その方に依頼状を出すという事でおおまかに決定した。

17:30 <終了>

Field Notes

  • 「団塊の世代」に対する思い(主に不満)・「熱い」ではなく「暑い」
    内に秘めた情熱があるのか知らないが、エネルギーがから回りしている。何か「運動」することが好きなだけ。
    話の内容は意味不明(人に聞いてもらおうという意志なし)。

    「団塊の世代」をかいかぶりすぎ!!

    (いい意味で)今の日本を作ったのは自分たちのおかげである。
    (悪い意味で)今の日本がこんな状況になってしまったのは、教育や社会が悪いと思っている。
    自分勝手、自己中心的である。

    ・何に対しても反抗的、改革的だが保守的、とりあえず反抗。でもどうすれば良くなるかは分かっていない。
    現在の制度を打ち破らなければいけないと思ってはいるが、リストラはイヤ。

    以上、団塊世代の教育の失敗作(!?)の意見でした。
    (注)「今の若い世代は団塊の世代による教育の失敗作だ」と言っている人がいた。

  • 今日は全共闘経験者の本の報告があり、私はものすごく学生運動には興味があるので、興味深く聞いた。でも、やはり具体 的な活動や全共闘が何なのか説明されないと、みんなピンと来ない気がする。私は、つかこうへいの「飛龍伝」で学生運動に興味を持った。だから少々美化され た学生運動をイメージしているのかも知れない。つか氏も、ソ連崩壊にショックを受けたというが、自分の両親はあの時何を感じていたのかなぁと思ったりし た。全共闘の集会、ちょっと行ってみたかった。私には電話来なかった。堺屋太一の「団塊の世代」を読んでみようかな―と思いました。

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