2000調査実習6月8日

調査実習2000第8回

~文献研究~

Time Table

時間 内容
13:20 「ライフヒストリーの社会学」(中野卓 桜井厚 編)

(記事未提出)

13:50 「フィールドワークの経験」(好井裕明 桜井厚 編 , 2000)

はじめに ――好井裕明

この書物は、フィールドワークの方法や技法などの一般論を解説しているのではなく、
それぞれの調査で、調査者が何をどのようにしてきたかを読み解く事によって語られる
「フィールドワークの経験」を集めたものである。

第1章 フィールドワークの方法

フィールドワークについて ――アービング・ゴッフマン

現場に入り込む
・人々とのつきあいにおいて自己規律を行なう
・最下層の人々から研究を始める

フィールドワークの手引き ――ジェラルド・サトルズ

・フィールドノーツは、ある対象に対し、単なる要約ではなく、具体的な記述を行なう。
・非行動的データは、調査対象となる人々について入手できる最も公共的な情報の1つである。
・生活史に関するインタビューでは、自分自身の事だけでなく、その他の多くの人々や
その人達の行為の背景について話してもらうのが望ましい。
・準備段階でできるだけ仮説の数を減らす。

暴走族から時代演劇へ ――佐藤郁哉

日本はまだまだフィールドワークの分野においては発展途上国である。
(欧米では「エスノグラフィー」が強く支持されている。)

フィールドワークのポリティックス ――山田富秋

科学は権力である ――啓蒙主義批判
・『調査』という背後にある啓蒙主義的前提・・・フーコーによって批判
・啓蒙主義以降の我々にできること
権力の予測不可能性を認識し、フィールドワークによって、自明視された日常の権力を
組み替える ――政治的行為
権力作用のフィールドワーク
・フィールドワークが可能となるポイント
ある社会に、日常生活の自明視の呪縛にとりつかれている「判断力喪失者」あるいは
「忠実なメンバー」が存在している事

あとがき ――桜井厚

今、実証主義的エスノグラフィにもナルシシズム的エスノグラフィにも陥らない新しいエスノ
グラフィの記述が求められている。

14:50 <休憩>
15:10 ホームページの記事作成についての説明
15:35 社会学のライフヒストリー調査に関する説明
17:30 <終了>

~実地調査~

時間 内容
15:35 桜井先生による調査法についての説明
~社会学におけるライフヒストリー研究~

Q.インタビューがうまくいかなかったらどうするのか?
A.あきらめる。でも粘り強く行う事が大事。

今後、インタビューの実習を行う予定。

16:20 グループ分け

個人で興味のある事柄(仕事、家庭、時代、メディア)の4つの中から1つ選び
それによるグループ分けを行う。
今後、それぞれのグループから毎週担当者を決め、そのテーマについての発表を行う予定。

『団塊の世代』調査対象者のカテゴリーについて(案)

・東京近郊に住んでいる人
・男女半々
・男女両方
・家庭のある人
・20年ぐらい前に建てられた団地から探す
・ホワイトカラー
・都市周辺に働きに出てる人
・中流階層
・職業別

サンプリングの方法について(案)

・ネットで探す
・会社に直接訪ねる
・友達の親にする
・団塊の世代の人が住んでいそうな所に行く
・子供の名簿から探す
・本人の同窓会名簿から探す
・千葉の普通科を出た人
・選挙人名簿から探す
・出生年を限定して探す
・人づて
・職業で探す

Field Notes

  • とにかく、こうも人数が多いと、何を決めるにも時間がかかる。なんとなく漠然としていて、つかみどころがないせいか、話し合いがまとまらない。しかし、時間がかかる方が、回り道をした思考をすることができていいのかもしれない。大変疲れた。
  • 私たちの議論はどうしてこんなにまとまらないのでしょうか。理由を考えてみました。
    • 議論をするに当たって、話すべき内容が絞りきれていない
    • 議論をするに当たって、土台となる共通理解がない
    • 思ったことを(その場にふさわしいか考えず)そのまま言う
    • 一つの話題が終わらないうちに次の話を始めてしまう
    • 自分の言いたいことだけを言って、人の話を聞いていない
    • だから同じ話をむしかえす
    • 取るに足らないような細かいことにこだわりすぎる

    など。


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